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2021-11-29

IoT 家電とは? おすすめ事例や導入メリット・デメリットを紹介

近年、 IoT 家電が注目されています。利用者も増えている IoT 家電は、私たちにとって身近なものになりつつあります。この記事では、 IoT 家電とはどのようなものか、それを利用することにどういうメリットや問題点があるのかを見ていきます。

IoT 家電とは

IoT 家電とはどういうものを指すのでしょうか。また、 IoT 家電を使うことで私たちの生活はどのように便利に、そして豊かになるのでしょうか。

IoT(Internet of Things)とは

IoT は、 Internet of Things の頭文字をとったものであり、「モノのインターネット」という意味です。 IoT とは、さまざまなモノを、インターネットを経由して相互に情報交換することを指します。 IoT 技術によって、より快適で豊かな暮らしができるスマートホームも脚光を浴びています。かつては、インターネットに接続できるのはパソコンやスマートフォンといった電子機器のみでした。 IoT により、今までインターネットに接続できるとされていなかったあらゆるモノを通信で繋げるようになりました。その一つの例が IoT 家電です。

IoT 家電の定義

IoT 家電とは、家電をインターネットに接続し遠隔操作できるようにした製品です。最新の IoT 技術は、テレビや洗濯機、冷蔵庫、照明などのさまざまな家庭用電化製品に活用され、今後ますますニーズが高まっていくと予想されます。

IoT 家電の特徴

普通の家電と異なり、 IoT 家電を利用すると何ができるようになるのでしょうか。ここでは具体的な特徴を見ていきます。

離れた場所から操作ができる

IoT 家電は、外出先など家の外からでも操作ができます。例えば、外からエアコンの電源をオンオフしたり、照明をつけたり消したり、ドアやシャッターの開閉なども操作できます。

離れた場所から状況を確認できる

IoT 家電は外から操作できるだけでなく、家電の状況をチェックすることもできます。例えば、外から自宅の照明の状態を確認したり、室内の温度を確認して適温に保ったり、といったことが可能です。 IoT 化した室内カメラなどなら、自宅にいるペットの様子や留守番中のお子さまの様子を確認することもできます。

スマート家電と繋ぐことができる

IoT 家電の中でも、スマートフォンの専用アプリを通して操作できるものは、「スマート家電」と言われており、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンをリモコンとして使うことができます。また、スマートスピーカーなどは、話しかけるだけで利用できます。アマゾンから販売されているスマートスピーカーには AI のアシスタントであるアレクサが搭載されており、音声入力で人間に代わってさまざまな操作をしてくれます。

IoT 家電の事例

このように、その場にいなくても操作や確認ができたり、話しかけたりするだけで操作ができるなど、IoT家電のもつ可能性はさまざまな技術に広がりを見せています。では私たちにとって身近な生活家電には、どのように利用されているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

テレビ

IoT 家電化したテレビなら、外出先から録画予約をすることもできます。また、インターネット通信を使って動画配信サービスのアプリをインストールすれば、テレビで動画や映画コンテンツの視聴もできます。情報番組やクイズ番組などで多く見られる視聴者参加型のテレビ番組も、 IoT 家電化したテレビを活用した典型的な事例です。

エアコン

外からエアコンのスイッチのオンオフができ、状況確認もできるため、消し忘れもなくなり節電に繋がります。帰宅前にスイッチをいれておけば、夏は涼しく、冬は暖かい部屋に入ることができます。稼働状況の履歴から学習して、好みの温度に調節してくれる製品もあります。

洗濯機

洗剤や柔軟剤を自動投入してくれ、洗濯が終わるとスマートフォンに通知してくれます。通知が届くことで洗濯物の取り忘れもなくなります。洗濯機によっては、洗濯履歴から適した洗濯コースを提案してくれたり、洗濯についての評価を学習して、よりよい仕上がりにしてくれたりするものもあります。さらにはその日の天気から、乾き安い時間帯を教えてくれたり、花粉情報まで教えてくれたりするものもあります。

照明

外からでも照明のオンオフを操作するだけでなく、明るさの度合いや発色も調整できます。外だけでなく、家の中でも、寝転がったり座ったりしたまま遠くの照明を消すことができます。また、家にあるすべての照明をコントロールして、一度に複数の照明をオンオフできる製品もあります。

家の鍵に専用機器を取り付けることで、鍵とインターネットを繋ぎ、スマートロックというシステムを利用できます。このシステムは、鍵を使わなくても外出先からスマートフォンのアプリで、開錠・施錠することや、施錠状況の確認ができるというものです。施錠を忘れた場合にはスマートフォンに通知が届くので安心です。外出先で施錠したかどうか不安になったときでも、その場ですぐに確認できます。

空気清浄機

空気清浄機の遠隔操作を利用して、留守中に部屋の空気をキレイにできます。さらに、空気の状態が可視化され、室温や湿度、ホコリの程度などもスマートフォンで確認できます。住んでいる地域を登録すれば、天気情報や花粉情報などを確認でき、花粉の飛散量が多いときには自動で風量を強くしてくれるので、花粉症の方にもありがたい機能といえます。フィルターの交換時期も通知してくれ、掃除しそびれることもありません。

IoT 家電を導入するメリット

IoT 家電にはさまざまな特徴があり、それらを備えた身近な家電が増えつつあります。電化製品売り場に行くと、各メーカーで競い合うように特徴を紹介する広告やデモ機が置かれているのを見ることもあるでしょう。では実際に IoT 家電を導入することによって、どのようなメリットがあるのでしょうか。

生活が便利で快適になる

IoT 家電を利用することにより、今まで以上に便利で快適な生活を送れるようになります。家の外から家電を操作できたり、手が離せないときも、話しかけるだけで家電を動かせたりできます。 AI は使用者の生活や行動パターンを学習して合わせてくれるため、自分用にカスタマイズされた IoT 家電を使うことができます。

使用状況を見える化し節電に繋げる

電気の「見える化」とは、消費電力量や電気料金をスマートフォンなどで確認できることを指します。通常、消費電力量は一カ月単位でしかわかりませんが、「見える化」により、リアルタイムでチェックしたり、昨日と今日の消費電力量を比較したりできます。電気の使い方を振り返ることで、節電や省エネの対策もしやすくなるでしょう。

暮らしの安全安心をサポートする

外出先から遠隔操作により、家電のオンオフだけでなく家族やペットの様子を確認することも可能になります。いつでも部屋や玄関の様子を見られれば、高齢者の異変にすぐに気づけたり、子どもの健康状態や留守番の様子などもチェックしたりできます。見守りだけでなく防犯にも役立つため、安心で安全な生活を送る手助けとなるでしょう。

IoT 家電が抱える問題点

このように、 IoT 家電にはおすすめするポイントがたくさんあります。暮らしの安心や便利さを、普段使う家電から得られるのは手軽で効率的ともいえます。しかしそんなIoT家電にも問題点がいくつかあります。

インターネットがないと機能を発揮できない

インターネットがない環境では、せっかくの IoT 家電も通常の家電と何ら変わりがなくなってしまいます。 IoT 家電を使用するには Wi-Fi 環境を整える必要があり、費用が掛かります。さらに、多くの IoT 家電を使用するほど電波が飛び交うため、電波干渉のリスクが高まり、不具合や誤作動などが起きることも考えられます。また、 IoT 家電の機能にあまり依存しすぎてしまうと、ネットワークがダウンしたり電力が途絶えたりした場合、大変不便に感じてしまうでしょう。

セキュリティリスクを抱える

インターネットに接続して使用する IoT 家電には、外部からの攻撃にさらされるというリスクがあります。 IoT 家電の中には個人情報を扱うものも多くあり、最近は IoT 家電を狙ったサイバー攻撃も増えているようです。不正アクセスや個人情報の窃取などのセキュリティリスクは、パソコンやスマートフォンにも当てはまりますが、複数の IoT 家電とインターネットが繋がることも、標的になる機器を増やすことに直結します。

ウイルスに感染して個人情報が盗まれると、なりすましによる買い物、パソコンを乗っ取られて金銭を要求されるといった被害に遭うこともあります。

IoT 家電にもパソコンやスマートフォンと同レベルの危険性があることを認識して、パスワード管理やセキュリティ対策を徹底することが大事です。

IoT 家電から得られたデータを活用する方法

IoT 家電から得られたデータを利用して、ビジネスにつなげようとする企業も増えてきています。例えばエアコンの使われ方や稼働状況に関するデータを分析すれば、顧客ニーズを掘り起こしたり稼働状況を評価したりすることができます。分析したデータを商品開発や顧客サポートへ役立てることもできるでしょう。複数のデータを掛け合わせて分析すれば、新しいビジネスの創出にもつながります。

まとめ

先端技術である IoT 技術は、テレビやエアコン、冷蔵庫や照明などの家庭用家電に使われています。メリットの多い IoT 家電ですが、問題点もあります。メリットは、遠隔地からの操作や状況確認が容易にできるため、生活が一気に便利になることです。 IoT 家電から得られたデータを顧客ニーズの掘り起こしや稼働状況の評価といったビジネスに役立てることもできます。一方で、問題点としてインターネットへの接続が必須であるため、何かの不具合でインターネットが使えなくなると、 IoT 家電としてのメリットが享受できません。またサイバー攻撃などのセキュリティリスクも考えられます。 IoT 家電の利用は、このようなメリットと問題点の両面を理解することが大事です。

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