データ活用

2021年11月15日

顧客データの分析結果はどう活用する? ポイントややり方をわかりやすく解説

企業におけるデータ分析の重要性が高まる中、購買行動などから顧客ニーズを分析する「顧客データ分析」が注目を集めています。顧客データ分析はマーケティング戦略の立案にも役立つため、変化が著しい現代市場を生き抜くうえで欠かせない要素です。そこで本記事では、顧客データ分析の効果や具体的な手法、実行上のポイントを解説します。

顧客データ分析で得られる効果とは

昨今の目覚ましい技術革新により、市場環境の変化するスピードは年々加速しています。特に近年では、 AI や IoT、スマホなどの普及に伴い、顧客のニーズや購買行動にも大きな変化が生じています。目まぐるしく変化する市場環境に柔軟に対応し、企業が現代の顧客ニーズに即した商品・サービスを提供するためには、膨大な顧客データの分析・活用が欠かせません。そこでまずは、顧客データ分析の主なメリットについて見ていきましょう。

データに基づいた販売施策ができる

従来のマーケティングでは、しばしば営業担当者の勘や経験に基づき販売施策を立案するケースが見られました。しかし、このような感覚頼みのやり方は、個人の好みやバイアスの影響を受けやすく、どうしても不確実性がつきまといます。変化の激しい現代市場においては、顧客にパーソナライズした柔軟な対応が求められるため、不確実性を抱えた販売施策では安定的な営業成績が望めません。

過去の顧客データを分析することで、顧客が何をどのように購入しているかといった情報を可視化できます。これらのデータをもとに販売施策を立案すれば、より顧客ニーズに即した施策となり、安定的な販売実績を残せるようになります。

ビジネスチャンスを発見できる

企業が成長を遂げるには、顧客に対する的確な理解が欠かせません。顧客の属性や購買データなどを分析することで、どのような顧客がどのようなものをいくらで購入したいかを把握できます。そして、特定のターゲットへの理解を深めることは、現状分析だけでなく将来予測にも役立ちます。顧客データ分析から得た情報をもってすれば、新たなビジネスチャンスの創出も可能でしょう。

問題点を把握できる

顧客データ分析は、顧客ニーズを把握すると同時に、現状における自社の課題を洗い出すことも可能です。一つひとつのデータをよく見ていくと、その因果関係や相関関係が見えてきます。すると、商品・サービスや販売価格・方法の問題点が浮き彫りとなり、自社の弱点も明確化されます。

たとえば、顧客離れの傾向が見られる場合、自社に寄せられたお客様の声を抽出・分析することで、顧客が離れていく原因を突き止められます。それさえわかれば、顧客離れを止める手立てやリピーターを掴む施策も考えられるでしょう。

顧客データの主な分析手法

一口に顧客データ分析といっても、実際にはさまざまな手法があります。以下では、代表的な分析手法を 4 つご紹介します。

RFM分析

「RFM 分析」は、顧客を企業への貢献度によってグループ分けする分析手法です。この手法では、「優良顧客」「非優良顧客」「新規顧客」「離反顧客」などのグループを設定し、「直近購入日(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標に基づき顧客を振り分けます。そして、各グループの購買率や顧客満足度に合わせた販売方法を検討していきます。優良顧客向けのキャンペーンや新規顧客向けのプロモーション展開など、差別化戦略を立てるうえで有用な手法です。

セグメンテーション分析

「セグメンテーション分析」は、既存顧客の年齢・性別・居住地・行動パターンなどの共通項を洗い出し、グループ化する手法です。類似性の高い顧客をグループ化することで、グループごとに有効なアプローチを立てやすくなります。この手法では顧客属性を指標に分類するため、初めて顧客データ分析を行う際に適しています。

デシル分析

「デシル分析」は、顧客を購買金額の高い順に 10 グループに分類し、各グループにおける売上比率などを測る手法です。「デシル」とはラテン語で「10 等分」を意味する語で、「デシリットル」の語源にもなっています。

この手法では売上貢献度の高い層が可視化されるため、優良顧客に絞った販売施策を講じたいときなどに有効です。たとえば、売上の多くが上位 3 グループの貢献による場合、それら 3 グループに対して集中的に施策することが最適とわかります。

バスケット分析

「バスケット分析」では、顧客の買い物かごの中身を分析し、一緒に購入されやすい商品を把握できます。 EC サイトであれば購入履歴、店舗であればレジの POS データを分析します。この手法の大きな特徴は、関連性が見出せない商品に相関関係を見出だせる点です。

一緒に購入される可能性が高い商品を知ることで、相関性の高い商品を近くに配置できます。そして、相関性が高い商品が一緒に売れることによって、店舗の客単価のアップにつながります。 WEB サイトの場合は、一緒に購入される可能性が高い商品を顧客画面にあらかじめ表示させます。

顧客データ分析を行う際のポイント

このように、顧客データ分析にはさまざまな手法がありますが、これらをやみくもに用いたところで、精度の高い分析結果は得られないでしょう。顧客データ分析を行う際は、分析手法への理解はもちろんのこと、いくつか注意点もあります。以下では、顧客データ分析において押さえておくべきポイントをご紹介します。

顧客の定義を明確にする

そもそも、分析対象となる顧客をしっかり定義できていなければ、分析をする意味がありません。販促に有益な情報を得られないばかりか、的外れな分析をした結果、時間を浪費するだけに終わることも考えられます。

分析を行う際は、分析対象は自社が求める顧客層なのか、それとも自社を必要とする顧客層なのかなど、あらかじめ顧客の定義をはっきりさせておきましょう。その際、顧客属性や購入履歴などのデータを活用すれば、より明確な定義づけができ、精度の高い分析結果が得られます。

顧客のニーズを把握する

顧客ニーズに即した販売施策を打ち立てるには、当然ながら顧客ニーズを把握しておく必要があります。分析の段階から顧客ニーズを調査・理解しておくことで、より実効性のある施策を講じられます。

顧客ニーズを掘り下げる主な方法としては、インタビューやアンケート、 SNS・口コミ調査などが挙げられます。自社の商品・サービスを選んだ理由や、意見・要望などをアンケート形式で質問し、回答してもらうのがよいでしょう。なお、アンケートを作成する際は、回答者に負担をかけないようなつくりを心がけることが大切です。

業界市場を理解する

顧客データの分析は重要ですが、それらはあくまで企業が集積した過去の情報に過ぎません。将来的な予測を立てるときには、業界市場のトレンドの推移など、現状から将来にかけての市場動向を考慮することも大切です。

企業の外部環境は刻々と変化しているため、有効な販売施策を打ち出すには、最適なタイミングを見極める必要があります。もし市場の将来性が見込めない場合、あるいは見通しが立たない場合は、想定する顧客と属性が異なるターゲットを設定するなど、成長が見込める市場への参入も視野に入れたほうがよいかもしれません。

購入意思決定プロセスを把握する

顧客が商品・サービスの購入に至るまでのフローを正確に描けることは重要です。というのも、個人と法人では購入の意思決定プロセスが大きく異なるからです。個人の場合、大抵は購入者自身に決裁権があるため、その人に訴求するだけで購入へと至ります。 しかし法人では、決裁までに複数人の承認を要する都合、商談相手1人に訴求したところで必ずしも購入に至るとは限りません。このようなケースでは、個人・法人の購入意思決定プロセスの違いを理解したうえで、どのような人物が決裁に関わるのかを分析で押さえておくことが重要です。そうすれば複数人の決裁権者に訴求する手立てを検討しやすいでしょう。

まとめ

今回は、顧客データ分析の効果や具体的な分析手法、押さえておくべきポイントをご紹介しました。顧客ニーズに寄り添った販売戦略の立案には、顧客データ分析に基づく意思決定が欠かせません。とはいえ、膨大な顧客データを手作業で処理していくのは非現実的で、実際にはデータ分析ツールの活用が推奨されます。

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