データ活用

2021年10月18日

ディープラーニング用 PC に必要なスペックとは

  • ツール
  • データ分析

ディープラーニングに取り組みたいと考えているけれど、どのようなパソコンが必要なのか把握できていない、という方もおられると思います。本記事では、ディープラーニング用パソコンの選び方や必要なスペック、構成パーツの詳細などをご紹介します。

ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、機械が人間の手を借りずにデータの特徴を自動的に抽出する技術のことです。この技術は、人工知能(AI)の発展にも貢献していて、近年ではさまざまな分野で実用化されつつあります。

ディープラーニングと似たようなイメージがある言葉として、人工知能(AI)や機械学習があります。これらとディープラーニングの関係性は次のように説明できます。人工知能(AI)の要素技術の1つが機械学習であり、機械学習の要素技術の 1 つがディープラーニングです。

人工知能(AI)の定義は示すところが広く、一語で正確に示すのは容易ではありません。ですが、あえて簡単にすると、「人間のような知性をもって情報を処理できるプログラム」といったように表現できるでしょう。これに対し機械学習とは、データを分析したり、データを用いて学習したりすることを機械ができるようにするプロセスを指します。

ディープラーニング用パソコンを選ぶポイント

ここからは、ディープラーニングに使用するパソコンをどのように選べばよいか、必要なスペックなどはどのようなものか、といったことをご紹介します。既製品を購入する場合でも、自作 PC を組む場合でも把握しておいた方がよいポイントです。

GPU を搭載している

GPU とは、 Graphics Processing Unit の略称です。日本語で、画像処理装置と翻訳されます。名前の通り、画像処理専用のパーツで、 3D グラフィックなども処理します。この GPU がなくとも、画像処理自体は別のパーツである CPU でも可能なため、ほとんどの用途でパソコンは使用できます。ただし、グラフィック処理の速度が低下するため、映像作成や高度なゲームなどを扱う場合にはほぼ必須とされています。この GPU ですが、グラフィック処理だけでなく、ディープラーニングにも欠かせない存在です。本来画像処理目的で利用される GPU ですが、ディープラーニングで求められる能力に GPU の処理方式が適しているため、多くのデータサイエンティストに採用されているのです。このため、ディープラーニング用のパソコンは、 GPU を搭載しているものを選ぶのがよいでしょう。

ディープラーニング用の GPU を選ぶ際には以下の 2 つをポイントとしてください。

  • 世代が新しくグレードが上位のもの
  • 複数構成が可能なもの

GPU は、世代が新しくグレードが上位のものほど高い処理能力があります。

また、 GPU は複数枚同時に稼働させられるものがあります。同時に処理する能力が向上するため、 1 枚での運用が想定されたものよりも、複数枚の構成を想定して設計された GPU をいくつか搭載したパソコンを選ぶとよいでしょう。最初は 1 枚で運用し、様子を見てから追加する、といったことも可能です。

CPU が新しい

CPU とは、 Central Processing Unit の略称で、日本語で言うと中央処理装置です。名前の通り、パソコンの中枢を担う頭脳のような役割を果たす必須パーツです。

マザーボード・ハードディスク・キーボード・マウスなどの各種パーツ・デバイスからデータを受け取り、総合的な制御や演算を担当します。

ディープラーニングに使用するパソコンの CPU も新しく、グレードが高い方が望ましいです。

膨大処理が必要なディープラーニングをする際は、負荷も大きくかかるため、当然、高いスペックである方が有利です。 CPU も GPU と同じく、一般的により新しく、よりグレードが高い(コア数、キャッシュが多いものなど)方がスペックは高いです。

メモリが大きい

CPU はパソコンの中枢を担うパーツですが、もちろん他の基本パーツも必要です。そのひとつが、メモリです。メモリにもさまざまな種類がありますが、ディープラーニング用パソコンにおいて重要なのは GPU メモリとメインメモリです。 GPU メモリは、 VRAM とも呼ばれます。 VRAM とは GPU に搭載されていて、 GPU の処理にだけ使用されるメモリであり、他のさまざまな処理に利用されるメインメモリとは区分されます。ディープラーニングは、膨大な計算処理が必要となるので、そこで大きな役割を果たす GPU のメモリも大容量である方が有利なのです。

メインメモリは、 RAM とも呼ばれます。 VRAM とは全く異なるもので、パソコン全体の情報を取り扱います。メインメモリは、実行中のプログラムなどが保存される場所で、作業用の机にも例えられます。このメインメモリの容量が少ないと、狭い机で作業をしているときのように、作業がしづらく効率が悪くなってしまいます。こちらも、ディープラーニング用パソコンの場合はできるだけ容量が大きい方がよいでしょう。

クラウド GPU も検討を

GPU は、手持ちのパソコンに備わっているものを使う以外の方法もあります。それがクラウド GPU です。優先順位としては、既存のパソコン独自の処理、クラウド GPU 利用という順序で使用するのがコスト的に望ましいです。ここからは、クラウド GPU について詳しく解説します。

クラウド GPU とは

クラウド GPU とは、クラウドプラットフォームを使い GPU を使用するということです。手持ちのパソコンに GPU がない場合や GPU を搭載していてもスペックが低いという場合でも、クラウド GPU を使うことで、高度な GPU のある環境を整えられます。 GPU が必要なときに、選択肢の 1 つとして検討したいのが、クラウド GPU なのです。

クラウド GPU のメリット・デメリット

クラウド GPU のメリットとデメリットをご紹介します。

クラウド GPU のメリットとして、以下の 2 点が挙げられます。

  • 運用や利用が簡単
  • スケール設計が容易
  • 利用する時だけコストがかかる

まず、簡単かつ時間をかけずに運用や利用できる点です。物理的な GPU を自社や自宅パソコンに多数増設したり、オンプレミス環境を構築したりするには、手間と時間がかかります。しかし、クラウド GPU なら、オンラインで完結するため契約後すぐに利用が可能となります。

次に、スケール設計のしやすさが挙げられます。物理 GPU だと、環境のスケール変更、特にスケールダウンへの対応で無駄が生じやすいため、スケール設計は慎重にしなければなりません。クラウド GPU の場合、ディープラーニング利用の規模が変わっても、契約変更などで柔軟にスケールアップ・ダウンが可能なため、設計が容易です。

また、クラウド GPU は利用する時だけコストがかかります。物理 GPU だと、特に性能の良いものについては高価であり固定資産となります。効果が出るか不明な状態での投資コストとして適切かどうか不明な場合も多く、まずは従量課金のクラウド GPU を選ぶというのは良い戦略です。

このように、非常に便利なクラウド GPU ですが、デメリットもあります。デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • クラウドベンターに依存してしまう

クラウドベンターがシステム障害を起こしたときは、利用側の環境に問題がなくても利用できなくなってしまいます。このため、ベンターへの依存リスクがある点がデメリットといえます。特に近年 GPU に対する需要は高まっており、クラウドベンダーにおいても GPU が不足して利用したいときに利用できない可能性もあります。ただし、クラウドベンダーも需要にこたえるべく潤沢なリソースに投資していますので、メリットとデメリットを考慮すれば、メリットの方が大きいといえるでしょう。

クラウドとオンプレミス GPU の違い

GPU の増設を考えるとき、クラウドのほかに手段として有効なものがオンブレミスです。オンブレミスとは、サービスの提供方法を表す言葉です。クラウドと対義語的な意味合いですが、異なるのはサーバーの管理者です。オンブレミスは自社でサーバーを保管・管理します。そのため、クラウドとオンブレミスとの違いは、次のようになります。

クラウドはサーバー管理者が第三者であるため、利用するためには利用料金が発生します。ただし、従量課金制ですが規模をプランなどで選んで使えるため変更がしやすい点と、サーバー管理の必要がない点が特徴です。

それに対し、オンプレミスはリソースの縛りがないので、キャパシティの範囲で好きなように GPU を利用可能ですが、初期コストが相応にかかる点、規模の変更が容易ではない点、サーバーの管理が必要な点が特徴です。

どちらかが完全に有利とはいえないため、ディープラーニングの実施規模、自前で用意できる環境などを照らし合わせて選ぶことが重要といえます。

まとめ

ディープラーニングを行うには、 GPU、 CPU、メモリ、それぞれに高いスペックが求められます。ディープラーニング用のパソコンを購入する際には、以下の点を考慮してください。

  • 高性能 GPU を複数搭載している
  • CPU が高性能
  • メモリ容量が大きい
  • クラウド GPU も検討する

注意すべき点としては、ディープラーニングを行う際には、大量のデータを共有・活用する必要があります。計算機資源のみではなく、それを活用するためのデータプラットフォームにも投資を検討してください。

スタッフおすすめ記事 ベスト 3

タグ

データ活用 データ分析 ツール 組織 DX ビジネス オープンデータ BI データプラットフォーム 課題 中小企業