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2021年9月21日

AI 導入をするために必要なこととは? AI 活用事例も紹介

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DX の推進などが社会的に推奨される中、 AI を自社のビジネスに活用したいと考えている企業も増えてきているのではないでしょうか。そこで本記事では、 AI はビジネスにおいてどのように活用できるのか。そして AI を導入するためにはどのようなステップが必要になるのかについて解説していきます。

AI 導入における現状

「AI(人工知能)」という言葉は日本社会において既に市民権を得ており、スマートフォンやスマート家電などを通して、日常生活レベルでもかなり身近な技術になってきています。しかし意外なことに、ビジネスにおいて AI を積極的に活用している日本企業はまだまだ少なく、 IPA による 2020 年版の「AI 白書」によると、たった 4.2% の企業しか AI を活用していません。

技術大国と呼ばれて久しい日本ですが、実のところ IT の活用においては先進国に比べて後れを取っています。政府を中心に「DX」の必要性が盛んに叫ばれているのも、その現状の裏返しとも言えるでしょう。

日本において IT の活用が遅れている原因としては、「IT 人材の不足」も挙げられます。とりわけ AI 技術などの開発・運用を担える「先端 IT 人材」の不足は深刻で、各企業が AI をはじめとする IT 技術を活用しようにも、その担い手がいない状態です。政府は 2020 年に小学校でプログラミング教育を必修化するなど、国ぐるみで IT 人材の育成を進めていますが、当然ながらその結果が出るにはまだ長い時間がかかります。それゆえ、まだしばらくのあいだ各企業は限られた数の IT 人材を奪い合うことになるでしょう。

このように日本において AI の活用はまだ十分に進んでいませんが、 AI をはじめとする IT 技術の活用が今後のビジネスの成否を大きく左右するのは明らかです。とりわけ日本においては深刻な少子高齢化が進行しており、労働人口が不足した未来において、 AI の活用がますます重要になってくると予想されます。

AI 導入をしてできること

上記のように、日本においてはまだ一部でしか活用されていない AI ですが、その技術の恩恵は様々な領域に及びます。以下では、 AI 導入によって可能になることを、 AI の主だった機能と共に見ていきましょう。

画像処理

AI の主要な機能のひとつとして、画像処理能力が挙げられます。これは画像や動画といった視覚データを元に、そこに映った人や物、文字などを認識する機能です。たとえば身近なところでは、一部のスマートフォンなどで使われている顔認証システムやカメラの表情検知機能などが画像認識の典型例です。ビジネスにおいては、たとえば、製造工場などで製品の検品に使われたり、医療現場における画像診断に活用されたりしています。

音声処理

音声処理機能は人間が発する声を認識し、テキストに書き出したり、話した内容に対して反応したりするシステムです。 Amazon のアレクサや Apple の Siri などの音声アシスタント機能も、 AI の音声処理が活用されています。ビジネスにおいては音声チャットボットによってカスタマーサービスの電話応対業務を AI に代行させるといった使い方も進んでいます。

自然言語処理

自然言語処理機能は、人が日常的に使う言葉を AI に理解させ、処理を行うためのシステムです。たとえば「Google 翻訳」などの自動翻訳ソフトにも AI の自然言語処理機能が使われています。あるいは大量のテキストデータを AI に解析させ、有用な情報を抽出する「テキストマイニング」もビジネスにおける AI の自然言語処理機能の活用例として挙げられるでしょう。先に挙げた音声処理における人間の発語の理解においても、自然言語処理機能が重要な役割を果たしています。

ルールに沿った作業

前項で挙げた「テキストマイニング」にも共通することですが、 AI はコンピューターならではの情報処理能力を活かし、大量のデータを分析し、ある一定の「法則」や「傾向」を導き出すことを得意としています。これによって企業は、自社のデータベースに蓄積されたデータや外部データなどのビッグデータを活用し、ビジネスに役立つ様々な分析を行うことが可能です。また、ルールに沿った作業という点では、バックオフィスにおける日常業務を AI によって自動化する技術の開発も進んでいます。コンピューターによる業務の自動化を「RPA」と言いますが、これに AI 技術を組み込むことにより、ルーティン的な定型作業だけでなく、非定型的な複雑な作業も自動化することが可能です。

AI活用事例

上記のように、 AI は様々な機能を持っています。続いては、 AI がビジネスにおいて具体的にどのように活用されているか事例を見ていきます。

Netflix

大手動画配信サービスとして有名な Netflix では、コンテンツのキャスティングに AI を活用しています。 Netflix では数多くの映画やドラマなどが配信されていますが、こうした膨大な量のコンテンツを単に並べて表示しただけでは、ユーザーは次に見るべきものを効率的に探すことができません。そこで Netflix は、 AI を用いてユーザーの視聴習慣に関するデータを分析し、その嗜好などを明らかにすることで、ユーザー一人ひとりに合ったコンテンツを提案し、結果として高いユーザーエクスペリエンスの提供を可能にしています。

日本生命

日本でも最大手の保険会社である日本生命は、営業活動において AI を積極的に活用しています。日本生命は各顧客のプロフィールや保険の加入状況などの分析を AI で行い、顧客一人ひとりに合った最適な保険プランの提案を可能にすることで、新規顧客の開拓やリピーターの増加を達成しました。また日本生命では、営業職員の育成にもAIを活用しています。同社が営業職員に配布しているスマホには、「ロープレ AI」という機能が搭載されており、営業活動の様子を撮影することで、 AI が営業トークの内容を評価し、改善策の提案などもしてくれます。これによって営業社員は各自のスキルを「見える化」し、課題点を明確にして自らの営業スキルを改善していくことができるようになりました。

中部経済新聞

1946 年創刊の歴史ある中部経済新聞は、創刊 70 周年記念特別企画として AI で記事を生成し、掲載するというプロジェクトを実施しました。その依頼を受けた株式会社レッジはまず、中部経済新聞社の膨大な記事データを AI に読み込ませ、文体や文章のトーンなど、同新聞社の「らしさ」を AI にインプット。結果として人間が書いたと見紛うような記事の作成に成功し、テレビなど様々なメディアで取り上げられるほど大きな話題になりました。

AI導入のためのステップ

上記のように AI を導入することには、業務効率化を実現したり、顧客満足度を高めたり、話題作りに活用したりと、様々なメリットがあります。それでは、 AI を導入するために、企業はまずどのようなことに取り組めばいいのでしょうか。以下では AI 導入のために必要なステップをご紹介します。

データを集める

AI を活用する上でまず重要になるのは、質・量ともに優れたデータを集めることです。 AI の各種認識機能や予測分析は参考となるデータが多ければ多いほど精度が高くなります。データの取得場所としては社内のデータベースの他、ウェブサービス、外部のデータ会社などが挙げられます。

AI に学習させる

データを集めたら、次はそれを AI に機械学習させます。 AI に機械学習させるには、データ整備のスキルや、統計・数学の知識、プログラミングスキルなど専門的な技能が必要です。もし自社にそうした IT 人材がいない場合は外部の専門会社に委託することをおすすめします。

サービスへ組み込みをする

機械学習が完了したら、最後はサービスに組み込みます。この際にもやはりプログラミングスキルなど専門的な能力が必要です。したがって、この場合も自社に対応できる人財がいない場合は外部の会社に委託するか、新たに自社で人材を採用ないしは育成していく必要があります。

まとめ

AI をはじめとする IT 技術の活用は、国際競争力の維持や労働人口の減少に対する対策のなどのために、社会的にその重要性を増しています。企業個別に見ても AI の活用は、業務の自動化による労働効率化、カスタマーサービスの向上、最先端技術の活用による宣伝効果など、様々なメリットがあります。しかし、その一方、 AI を活用するにはプログラミングやデータ活用などに対する専門知識が不可欠で、その人材が不足しているのが今の日本の現状です。

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