データ活用

2021年8月23日

オープンデータとは? 課題と活用事例まで紹介

  • オープンデータ

国や地方自治体、公的団体などが保有する情報を公開したものがオープンデータです。非常に有用なデータですが、どのようなもので、どう活用していいかわからないという声も聞かれます。そこで本記事では、オープンデータの基本をおさらいしながら、活用事例や自治体側の課題についてわかりやすく解説します。

オープンデータとは? ビックデータとの違い

警視庁の統計情報を使った交通事故マップや、自治体が持つ施設情報を使ったトイレ位置の確認アプリなど、オープンデータを使って企業が新たな価値を提供する例が増えています。その一方で、オープンデータとは何か、名前は聞いたことがあるが詳しい内容についてはよくわからない、という方も少なくありません。オープンデータとは、一体どのようなデータなのでしょうか。

オープンデータの定義

国や地方自治体などの公共団体が保有するデータの中から、一定の条件にあったものを誰でも利活用できるように無償で公開しているものをオープンデータと呼びます。データは加工や編集を行うなどの二次利用が可能なため、さまざまな形で利用されています。

オープンデータの目的は、経済の活性化や課題の解決、行政の透明化による信頼性の向上などです。 2016 年にはオープンデータの取り組みを推進する「官民データ活用推進基本法」が施行され、いまや自治体や公的団体は、保有するデータを公開することが強く求められています。

公開されたオープンデータは、内閣官房IT総合戦略室が運営する公式のデータカタログサイ卜(https://www.data.go.jp/)から確認できます。現在 3 万件近いデータセットが公開されており、気象情報や災害・津波情報のようなものから、花粉情報、イベント情報といった少し面白いものまであります。データ形式は分析・加工に適した CSV や Excel といった構造化データだけでなく、 PDF などの非構造データも含まれています。

ビッグデータとオープンデータの違い

オープンデータと混同されやすいのがビックデータです。ビッグデータとは、多様な形式で蓄積されるさまざまな種類のデータを指し、多量性(Volume)、多種性(Variety)、リアルタイム性・更新頻度(Velocity)という特徴を備えています。

IoT などの技術により、リアルタイムにデータを取得できるようになったことに加え、コンピューターの性能が向上し今まで分析が難しかった膨大なデータを管理・分析できるようになりました。そのためビッグデータの利活用は急激に拡大しています。

オープンデータは前述のとおり公的な団体から公開されたデータを指すため、必ずしも多量性やリアルタイム性といった特徴を持つわけではありません。どちらも価値の高いデータであるという点は共通していますが、その本質は異なるものです。

オープンデータの活用事例

では、オープンデータは実際にはどのように活用されているのでしょうか。 2 つの例を紹介します。

交通事故予測アプリ

高松市と NTT 西日本、 NEC は、交通事故の発生件数削減を目的に交通事故予測アプリを共同開発しました。

オープンデータとして高松市の教育・福祉施設の場所やイベント情報を使用し、香川県警が保存している過去 5 年分の交通事故データと NTT 西日本の社用車載ドライブレコーダーが収集した急ブレーキ・急ハンドルといった事故に繋がりかねない危険運転のデータを組み合わせています。

事故発生率が高いエリアに入ると、アプリが音声で警告し運転者に注意を促すことで、事故防止に繋げる狙いです。

Coaido 119

「Coaido 119」は、 Coaido(コエイド)株式会社がリリースした、電話で 119 番通報と同時に周囲に助けを求めることのできる緊急情報共有アプリです。

急な発作などで 119 を発信すると、オープンデータとして提供された自治体の AED 設置施設情報に掲載されている場所に、一斉に SOS コールが行われます。また、事前登録した医療関係者や救命講習の受講者に救助を依頼する機能も持っています。

心肺停止が発生した場合、救急車が到着するまでの 10 分間の行動によって救命率は大きく変動します。迅速に AED や心臓マッサージなどを行えれば、生還できる可能性が高まるのです。

そこで、救急車が到着するまでの間に Coaido 119 アプリによって救命ボランティアの要請や AEDの運搬を依頼し、一刻も早い救命措置が行われる仕組みを構築しました(参照元:https://www.coaido119.com/)。

オープンデータへの取り組みが進みにくい理由とは

オープンデータはさまざまな分野への活用が期待される一方で、自治体・団体の取組率はなかなか上がらない状況にあります。

政府は 2020 年度までに地方公共団体のオープンデータ取組率 100% を目標として推進していましたが、 2019 年 9 月時点で取組率は 4 割にも満たない数値でした。特に人口数が少ない自治体での取組率が低い傾向にあり、これら小規模自治体での取組率向上が課題となっています(参照元:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/data_ryutsuseibi/opendata_wg_dai9/siryou2-1.pdf)。

メリットや具体的な活用イメージができない

取組率が低い原因のひとつが、オープンデータの価値や将来性が自治体に理解されていないことです。

公共データのオープン化により大きな経済効果が期待できる反面、総務省の調査では「期待した成果が不十分」だと感じる自治体も 4 割程度あり、オープンデータの効果が見えにくく、自治体側で評価が難しいことが取り組みを阻んでいる現状が窺えます(参照元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc122210.html)。

人的リソースが不足している

オープンデータの推進は、主に情報システム部門が担当します。事前にデータやシステムの整備が不可欠ですが、それだけでなく他団体・企業との連携や関連制度の確認なども必要です。

それらを全て情報システム部門が担うには負担が大きく、人的リソースの不足がオープンデータ推進の足かせとなっています。

個人情報などの漏洩リスクがある

オープンデータ自体に個人情報が含まれることはありませんが、他のデータと組み合わせることで個人が特定できてしまうリスクはゼロではありません。結果的に個人情報が漏洩してしまうリスクが発生することに対して懸念を持ち、取り組みに消極的になっている可能性があります。

これらの課題を踏まえ、総務省では自治体のオープンデータ取組率を向上する目的で、従来の手引書や事例集などの施策に加え、取り組みに必要な知見・技術の習得から公開に至るまでに必要なスキルを身につけるための人材育成などの支援策を実施しています。

さらに価値あるデータを公開していくためには、既にWebサイトなどに掲載済みで自治体側が「公開しやすい」情報だけでなく、民間でニーズが高く、自治体側としても「活用してほしい」情報をオープンデータとして公開していく必要があります。そのため保有データの正確な把握やデータ形式の確認などが求められています。

オープンデータ利用ならデータ共有プラットフォーム delika

一方、オープンデータを利用する企業側では、データをうまく活用するための仕組みを用意することが課題になっています。そのため、最近ではオープンデータをはじめとしたデータのスムーズな活用をサポートするサービスが登場しています。

データ活用支援サービスを提供する株式会社コネクトデータでは、データ共有・分析プラットフォームの「delika」を開発・提供しています。

これはオープンデータをはじめ、各社が公開しているデータや自社が持つデータを同一プラットフォーム上で管理し、 SQL で分析できるサービスです。複数データをデータセット単位でまとめて管理できるほか、特定メンバーでデータを共有したり、データ分析基盤として活用したりできる機能を持っています。クラウド型でサーバ構築などの負担もありません。 このようなデータ分析基盤を自社で活用することで、高度なデータ分析により経営の意思決定や、現場担当者の主体的なデータ活用が可能になります。

まとめ

自治体・公的団体が公開した施設情報や統計情報と言ったオープンデータは、企業にとっても非常に役立つものです。近年データが新しい価値を生み出す源泉だと言われているとおり、上手に活用することで大きな成功を生み出す可能性を秘めています。

現時点では、人的リソースやデータ提供の効果が見えにくいといった課題からオープンデータ公開に消極的な自治体も少なくありません。しかしオープンデータを使って、生活を便利にし、多くの人に役立つサービスが増えていけば、流れは変わっていくでしょう。

ぜひ本記事などを参考に、オープンデータについて理解を深めていただければと思います。

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