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2021年8月7日

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは? 今更聞けない基礎知識や取り組むべき理由・課題

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世間で「DX 推進」「DX が重要」などと言われることも増えました。政府もDXを進めており、耳にする機会も多いです。しかし、まだ「DX って一体なに?」とあまり理解できていない方が多いのも事実です。そこで本記事では DX の基礎知識を解説し、事例等も交えながらその解説をしていきます。

DX の定義とは

DX が何の略がご存知でしょうか。まずは DX の定義、意味を解説していきます。

DX とは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称です。厳格に定義付けされているわけではありませんが、一般的にはデジタル技術を駆使した改革・変革を指して呼ばれます。経済産業省でも DX について「ビジネス環境の変化に対応し、デジタル技術の活用・データ活用によりビジネスモデルを変革すること」「業務内容だけでなく、組織、企業風土等も変革し、企業間競争の優位性を確立すること」などと説明されています。

この説明では特に企業の活動に着目しており、顧客・社会のニーズに対応するよう、サービスや製品の在り方を変えることなどを特に挙げています。しかしより一般的な視点から DX を捉えるとするならば「IT により生活や社会全体をより良い方向へ変えていくこと」などと表現することもできるでしょう。

いずれにせよ DX の根本にはデジタル化があり、その技術を活かしてこれまでとは違う新たな価値創造や、従来の課題を革新的に解決することなどを意味しています。

DXとデジタル化との違い

「デジタル化」と混同されている方もいるため、ここで DX との違いを整理しておきましょう。

デジタル化はそのままの意味で、これまでアナログで扱っていた処理をデジタルに置き換え、デジタルのデータとして扱えるようにすることなどを指します。そしてそれ以上の意義は持ちません。単にデジタルの状態にすることを意味するので、アナログを脱却すればそれは「デジタル化」として成り立ちます。

しかし DX は違います。デジタル化が前提となり、変革、革新がなければなりません。つまり、目的が異なっているとも表現できるでしょう。 DX にとってデジタル化は手段になっているだけであり、本当に重要なゴール・目的は競争力の強化であったり、生産性の向上であったりします。他にも顧客体験の向上から業務効率アップ、組織改革などを目指します。

企業の DX 事例

ここまでは DX の大枠を捉えるため、言葉の意味や抽象的な説明をしてきました。以下では企業の方がより具体的に DX がわかるようになるため、実際にあった DX の事例を挙げていきます。簡単にわかりやすく紹介していきますので、参考にしていただければと思います。

オンライン授業の先駆け

まずは教育業界で授業に IT を有効活用した事例を紹介します。今では新型コロナウイルスの流行により様々な教育現場でオンライン授業が取り入れられるようになっていますが、その先駆けとも言える例です。

ある企業では、これまで対面で授業を実施していたところへ、映像学習サービスを導入しました。スマホ一台あれば学習が可能となるため、この制度を導入したことによりいつでもどこでもサービスが受けられるようになったのです。

タクシー配車のアプリ化

続いて紹介するのはタクシー配車をアプリ化した事例です。

タクシーを利用する際、今でも主流なのが「タクシー会社へ直接電話」「道端で手を上げて見つけてもらう」という手法です。しかしこれではタクシーを利用するまでに時間がかかってしまいますし、手間もかかってしまいます。

そこで開発されたのが配車用のアプリです。アプリ上で簡単な操作をするだけで、すぐに近くにいるタクシーとマッチングができるという内容です。タクシーに乗りたい客と、多くの客を乗せたいタクシー側双方のニーズを満たす、良い事例だと言えるでしょう。

非対面の物件内覧実現

業界によってデジタル化の進み具合に傾向が現れます。不動産業界は比較的進捗が芳しくなく、アナログな方式で業務を進めていることが多いです。業界によって業務の性質が異なりますので、この点で差が出てきてしまうのは仕方ないところでもありますが、ここへDXを実現した事例もあります。

不動産物件の内覧へ VR を活用し、非対面で部屋の様子を見られるようにしたのです。これにより時間をかけて移動をする必要はなくなり、部屋を借りたい人はより手軽に物件探しが可能となりました。不動産業者側も一人当たりにかける営業の時間を減らすことができ、回転率を上げられます。また、非対面になることで感染症対策にもなります。

ドローンを使った荷物配送

次に紹介するのは、まだ本格運用されているものではありませんが、今後に期待が寄せられている事例です。

「ドローンを使った荷物の配送」という革新的な内容です。ドローンは飛行できますので、この機体に配送用ボックスを装着することで目的地への移動時間が短縮できるようになります。

また、ポイントは単に時間が短くなるだけではありません。最も活躍が期待されているのは山間部や離島への配送、人が直接持ち運ぶのが難しい場所への配送という場面です。医薬品や輸血に使う血液が急遽必要になったときでも、この技術があればすぐに供給することが可能でしょう。

企業が DX に取り組むべき理由

DX でよりニーズに即したサービスの提供等が期待されますが「このような大きな変化、革命的な何かを起こさなくても自社は活動できているから必要ない」と考えている企業も少なくありません。

DX によるポジティブな影響や、わかりやすい大きな変化を紹介してきましたが、 DX の効果はこれだけではなく、企業活動におけるマイナス要因を削減するためにも重要な役割を果たします。また、企業が長く生き残るためにも、欠かすことができないものとも言えるでしょう。

なぜ DX が必要なのか、その理由を以下で説明していきます。

人手不足の問題を解決するため

日本は特に人手不足の問題が深刻になりつつあります。しかも「人が減る」という本質的な問題は、最善を尽くせたとしてもすぐに解消されるものではありません。そのため多くの企業が将来直面することになる問題なのです。

人口の減少が確実視されている以上、企業の体制も見直しが必要なのですが、ここで効果を発揮するのが DX です。業務への取り組み方を変え、少人数でも同じ成果が出せるように変革を起こすことができます。既存の手法を惰性で続けるのではなく、システムの導入なども視野に入れ、効率的な企業活動を目指さなくてはなりません。

変動するニーズへ柔軟に対応するため

顧客のニーズは絶えず変化します。そしてそのスピードは近年激しくなっていると言われています。様々な技術が発展し、多様なサービスが展開されるようになり、それに伴い人々が求めるものも目まぐるしく変化しているのです。

インターネットが一般に広く使われるようになっていることはもちろん、色んなデバイス、色んな SNS も利用されるようになり、情報の受発信がスピーディになったことも関係しています。新しい出来事があればすぐに広まりますし、情報過多と呼ばれるほどです。

そこで企業としても変化に追随できる体制を整えておかなくてはなりません。現状、自社製品・サービスのニーズがあったとしても、将来も安定してニーズがあるとは限りません。

デジタルディスラプション後でも競争力を維持するため

前項の内容とも関連しますが、競合他社が DX により革新的なイノベーションを起こし、相当に優位性を確立する可能性もあります。デジタル技術により、既存のものに対する破壊的イノベーションを「デジタルディスラプション」と言いますが、これにより業界全体で求められるサービス等の水準が上がれば、イノベーションについていけない企業は相対的に競争力を落とすことになってしまいます。

DX によって自社もイノベーションを起こし、競争力を高めなければ淘汰されてしまうでしょう。

DX 推進において考えるべき課題

DX 推進が大事と言っても簡単なことではありません。以下では DX を進める上で注意すべきこと、課題について説明していきます。

全社的な取り組みが必要であること

一つは全社的に取り組まなくてはならない、ということです。 IT 部門のみが積極的になるのでは不十分ですし、経営層だけがやる気になっても DX は成功しないでしょう。デジタル化とは異なり、単に IT ツールを入れるというだけの話ではないからです。

そこでまずは経営層が DX に対し理解を持ち、会社全体での方針を決めなくてはなりません。その上で具体的にその推進を引っ張っていく人材の選定や、現場への理解も必要になってきます。

DX人材の確保

全社的な取り組みが重要であるものの、 DX に対する知見を有するリーダー的存在は大切です。しかしこの人材の確保がネックになることが多いです。自社で教育し、研修等を実施してその人材を育てることも可能ですが、十分な知識・技術レベルに達するかどうかは定かでありません。

外部の人材や企業を活用するにもコストはかかりますし、そもそも国内全体で優秀な IT 人材が足りていないという問題もあるからです。

また、 DX 人材として IT に精通した者も必要ですが、その基礎として数学力も重要と言われています。この点も日本はあまり進んでおらず、数学者が民間企業に就職する例が少ないことが少なからず影響しているのではないかと言われています。

老朽化したシステムの見直し

すでにシステムを導入しているものの、そのシステムが老朽化しているケースもあります。老朽化しているものの現役で使用しており、業務の根幹を支えているような場合だと、システムの移行も簡単ではありません。 そして新たなシステムを導入するとなれば、業務の見直しが必要になることもあります。これは、日本企業が汎用的なシステムより個別に最適化されたシステムを好んできたという背景があるためです。自社でしか通用しない手続や処理方法、特定の事業部でしか通用しないやり方で成り立っているケースが多いのです。

まとめ

DX はデジタル化を前提としたイノベーション等を指します。そのため、ただ IT ツールを入れるだけでは DX とは言えません。特に重要なのは、そのデジタル化によって多様なデータが収集できる状態にあること、そしてそのデータを利活用できる状態にすることです。この状態を土台に、企業が新たな価値を想像したり、革新的なサービスを提供したりすることで競争力を高められ、長く生き残れる企業へと変わります。 DX を進める過程では様々な課題が出てきますが、企業全体で、経営層も積極的になり、 DX 人材を用意するなど本腰を入れて取り組むことで成功に近づくことができるでしょう。

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