データ活用

2021年8月7日

日本企業におけるデータ活用の課題点とは? 活用ステップも紹介

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企業の競争力や生産性を高めるには DX が重要です。しかし DX を図るには、ツールを導入するだけでなく有効なデータ活用ができなければなりません。 ここでは日本企業におけるデータ活用の実情や課題点、そして活用に向けたステップも解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

日本企業のデータ活用における現状

総務省の調査(2020 年)によると、 5 年前と比較して、 E コマースや POS による販売記録、電話などの音声データ、 MtoM 等の自動取得データの活用が進んでいることが分かっています。しかしながら企業の規模別に見てみると、中小企業での活用があまり進んでいないことも分かっており、中小企業におけるデータ活用促進が課題と言えるでしょう。

業務別に見ると「経営企画・組織改革」や「製品・サービスの企画、開発」「マーケティング」などで比較的多くデータ活用がされており、逆に「物流・在庫管理」「生産・製造」領域で進んでいないことが明確です。

他方、産業別で何らかのデータ活用をしている割合が多かったのは「製造業」で 80% を超えています。これに対し「エネルギー・インフラ」や「サービス業」では 60% 程度に留まっています(参照元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd132110.html)。

さらに、大企業では約 9 割がいずれかの領域でデータ活用をしているとされていますが、中小企業は半数程度と大きな差が開いています。しかし問題はデータ活用の在り方です。

NTT データの調査によると「Excel 等の表計算ソフト」を使ったデータ活用の割合が最も高いという結果が得られており、データ活用と言っても全体として簡易な手法を用いる傾向があると分かっています(参照元:https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/200513.html)。

データ活用が進まない理由と課題点

データ活用、特に DX に資するようなデータ活用はまだまだ進んでいません。特に中小企業ではデジタル化すら進んでいないところも多いです。

以下ではデータ活用がなぜ進まないのか、その理由と課題点を解説していきます。

企業の人材不足

データ活用が進められない理由の 1 つは「人材不足」です。今後活発なデータ活用と DX を実現していくうえでの大きな課題でもあります。

がむしゃらに取り組んでも成果は得られませんし、有効にデータ活用を行うためにはノウハウや知見を有する優秀な  IT  人材の存在が欠かせません。しかし、このような人材はITベンダーに集中してしまっているという現状がありますし、そもそもの人数も足りていないのが現状です。日本は、 IT 人材の絶対数が不足していると言われており、その影響が DX およびデータ活用にも影響しているとみられています。

活用目的が不明瞭

データを有効活用するためには、まず収集・蓄積がされていなければなりませんが、その段階で目的を明確にしておかなければなりません。何のために情報を集めているのか、その後どのように使おうとしているのか、それによってどのような効果を望んでいるのか、こういった目的が不明瞭だと費用対効果も測定できないでしょう。

データの管理

明確な目的を持ってデータを収集したとしても、管理が適切に行われていなければ、活用は難しいでしょう。日々膨大なデータが蓄積されていきますので、これを整頓し、使える形で置いておく必要があります。しかし、そのための体制が整っていない企業は多いです。やはりIT人材の存在が欠かせませんが、適切なツール等を導入しつつ、データを管理し、その質を上げていくことも重要なポイントです。

データ活用するためのステップとポイント

膨大なデータの活用に悩んでいたり、分析や意思決定の方法を模索したりしている企業は、ここで説明する基本的なステップを参考に取り組んでみてください。

1. 目的を明確にする

上述の通り、まずは目的を明確にすることが大事です。

データ活用が重要と言っても、あらゆるデータがその企業に役立つとは限りません。時間も人員も限られていますので、できるだけ効率よく実行していきましょう。

そこで「何を行いたいのか」もしくは「何を明らかにしたいのか」といったことを、明確にする必要があります。目的によって集めるべき情報が変わってきますし、方法も変わってきます。具体的な分析手法も変わりますので、時間をかけてしっかりと取り組むことが大切です。

2. データの集積

続いて、 1 で明確にした目的を達成するために必要なデータを集積していきます。

この過程では、データの適切な管理にも注意が必要です。近年特に重要視されているのは、一元的管理です。部署ごとに異なるシステムが導入されており、相互に連携が取れていなければ企業全体から見た効果的なデータ活用は期待できません。企業全体をカバーする基幹的なシステムを導入したり、あるいは連携の取れるシステムを使用したりして、異なる部署や業務から発生したデータでも一元管理できるようにしておきましょう。

データサイエンティストを対象とした調査でも、データの処理そのものではなく、「データの前処理に最も時間を割いた」と回答した割合が過半数となっています。

3. 問題点の可視化

蓄積されたデータも、そのままの形だと扱いにくいと感じる方は多いでしょう。そこでデータの可視化を行い、活用しやすく整理することをおすすめします。この工程により、情報の羅列では分からなかった事実が発覚することもあります。グラフ化やイラスト化はその代表例です。難解な事実でも視覚化することで直感的に理解できることもあります。また、他のメンバーとの共有も図りやすいです。

4. データの分析

データの分析には、さまざまな手法があります。データの比較、規模の把握、時系列の整理、事象のバラつき、相互作用、過程、構造の理解など、どのような視点で分析を行うのかによっても具体的な手法が変わってきます。

また重要なのは分析を行うツールです。システム上で自動的に分析結果を示してくれるものを使っていれば、管理者の負担は少なくて済みます。できるだけユーザーの分かりやすい形で結果を示すとともに、精度の高い分析が可能なツールを選ぶことが重要です。

データの分析を行えば、そこから現状が把握でき、今後取り組むべき課題や最善の対応策も分かるようになります。

5. 企業戦略に活かす

分析をすることがゴールではありません。最初のステップで明確にしていた目的を達するために、ここから企業戦略に活かせるようにしなくてはいけません。 PDCA サイクルを回しながら企業の意思決定にも役立てていきましょう。

自社に適した、優れたツールを使用している場合には、データの集積から分析、意思決定への活用が迅速になります。

データ活用の事例紹介

データ活用のイメージを掴むためにも実例を見ておきましょう。

飲料メーカー

ある飲料メーカーの事例です。

同メーカーでは、消費者アンケート等のデータとアイトラッキングデータ、これら多様な消費者行動に関する情報を集めています。その結果から自動販売機における商品サンプルの配置を決めており、売り上げの向上に成功しています。アイトラッキングとは、人がどこをどのように見ているかを計測する技術のことです。商品購入の際「どこを見て商品を認識しているのか」というデータを追加したことで分析の効果を上昇させられ、売り上げという分かりやすい形で成果を得られたのです。

ガス会社

あるガス会社の事例です。 同社では自動車メーカーが GPS で集めた渋滞データを用いて、業務用車両の効果的な待機拠点を決定しています。また、問い合わせのある複数データを組み合わせることで、必要な部品を自動的に割出し、作業を自動化するなど、業務効率化および人件費削減という成果を出しています。

まとめ

データ活用は DX の観点からも非常に重要なことです。しかしながら、人材不足やデータ管理の問題からなかなか進んでいません。データ活用をするためにはここで解説した通り、まず目標を明確に設定し、その後収集、分析といった流れで進めることが大事です。基本的なところから始めると同時に、人材確保等に向けて取り組むようにしましょう。

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